前回も書きましたが、登場人物の中で一番好きなのはビジュアル含めて実様*1です。
西園寺実様がイケメン具合がすごい!
本当に立ち居振る舞いが颯爽としていて、オープニングとエンディングでランウェイを歩くシーンもキビキビッシャキッとしていて…それはビジュアル面ですね。目線の配り方も素晴らしかったです。理想的な男性として振舞っていました。
どうやら腕っぷしは弱い…というか争いごとを好まないようですが、大事な美智子さんのためなら訳の分からないビーバー野郎*2と一戦交えることも辞さない真摯で紳士なお方です。多分、あれなら相当モテるのではないかなー?と思うのですが、どうなんでしょうね。
奥山良子のクセがすごい!
細川家女中である良子(あいあい)もコメディエンヌみたいな要素が強めではあるものの、かなり話のキーパーソンだったし、演技が苦手なんて言ってたけど、どうしてどうしてしっかり良子というキャラクターを演じ切っていました。
訛りのある女中さんなので、時代背景から察するに東北から出てきたんじゃねえかと思うんです。アクセントのあるキャラなので、結構要所要所で美味しいところを持っていきます。あの身体の角度みたいのは、九位一体ツアーの「マリオネット37°c」の時にも見かけたのですが、あれはバレエのポジショニングみたいなものなのか、相川茉穂感がなせる技なのか。
典子の賢さがすごい!
美智子の妹・典子は研修生のももひめ*3ちゃんでしたが、何?なんなの!?すごく上手かった!ザ・児童劇団みたいなこてこてと仰々しい感じではなく、強弱もあって、すごいなー、もしかしてめいめいがしゅごキャラの舞台に出た時もこんな感じだったのかな?と思わせる上手さ。
役柄の典子として見ても、典子も重要ファクターなんですよね。上手く取り持ってくれる存在というか、賢しい子というか。典子と良子のおかげで美智子はあるのだと思います。
場面の転換
MODEは、大きく分けると編集サイドと細川家サイドで話が進んでいくのだけど、細川家サイドでは割とドタバタというか笑いのテイストがあったりして、私の心のオアシスでした。
割と両サイドが同時進行で、片方にしかライトが当たっていない時ももう片方でも流れがあったりするので、あれは複数回見るか、DVDで繰り返して今回はこの人にクローズアップ!みたいな見方をするのが打ってつけに思います。
弥生がすごい負けん気!
片やの編集部/弥生(あやちょ)サイド。弥生は予てからの夢を実現させるために多少…いや強引なやり口で企画を始めます。クスッとするところもあるんだけど、打ちひしがれる姿を見たためかシリアスパートが多いような印象を受けます。
悔しさを原動力にしているのは、ある種あやちょ本人にも重なるのでしょうね。
孝太郎がすごい優しい!
本当は孝太郎(タケちゃん)が緩衝材みたいな存在なんだろうけど、個人的には打ちひしがれた弥生で全部シリアス調に最終補正が掛かってしまいます。
ふにゃーんとしたような感じでありつつ、自分は持っている孝太郎。孝太郎はある種の権力者である副編にすり寄るという事はせず、基本的に弥生の肩を持つのは、弥生の手腕を認めているからだろうし、あまり保守的ではない人なのでしょうね。オープニングで手の丸さのせいかちょっと女の子っぽい仕草もありましたが、劇中ではキザっぽい動きだけどキザではない孝太郎青年は、西園寺実さんとはまた違った魅力的な男性のはずなんですけど、イケメンとしては描かれずムードメーカー…やっぱり、タケちゃんの当て書きみたいなところがありますね。
桜がすごいルー大柴並!
桜(かななん)は柔らかそうでいてしなやかな女性。優しそうにほんわかーと思いきや、モデルをなめるなよとオーディション参加者に畳み掛ける。個人的には公園ロケに駆け付ける時の格好が好きですw(1)でも書きましたが、はんなりとしている風で下積み生活が伺える芯のある女性です。ちらっとだけ「しばらくいないうちにジャポンもずいぶん変わったわね」という台詞だけを聞いた時はどんなルー大柴だよと思っていたものの、実際はぽんぽんとフランス語(だと思う)を相槌に差し込んできてるけど、突飛な人ではありませんでした。弥生の良き理解者。
華子のオーラがすごくすごい!
モデルオーディション合格者の華子を演じるのはSeventeenでもモデルの仕事を実際にしている佐々木莉佳子ちゃん。気位が高くて気が強くて素質もあるし、ありゃ華子もおくびにも出さないけどかなり努力してる子ですよね。一瞬ダークサイドに堕ちかけますが、悪人にならなくて憎まれ者として弾き出される事がなくて良かったと思います。もし、富野由悠季演出だったらハイパー化して死んじゃう感じです。
今回の役柄は恐らく多少当て書きなところがあって、りかこもスーパーエース格なんです。同期加入のむろには負けたくないとギラギラした部分もあるし、華子と被る部分もある。だけど、多分りかこは人を蹴落として上がるタイプかというと自分を高めていくタイプだと思うので、自分のようで自分ではない人を演じ切ったのだろうな、と。
先ほどももひめちゃんを絶賛しましたが、りかこも本当に素晴らしくて、しっかり華子がビリビリとしたオーラを出していて、スポットライトが当たらない場面でもきっちり演じ続けてるんです。宇津井健さんが立ち去るシーンでフレームアウトしきるまで背中で演じ続けていたという話を聞いたことがありますが、集中力を切らさずにしっかり華子であり続けました。舞台を観に行けなかった佐々木莉佳子ファンの皆さんは安心してDVDを買っていいし、何度も見る価値があると思います。
愛子の名は体を表す感がすごい!
愛子は「私、かわいい」「かわいいもの大好き」という足の長さが武器の女の子です。既視感を覚えるふんわりさで、愛らしいです。色んな服装を楽しめるという点でも勝田さんファンはDVDを買っていいんじゃないかと思います。ふわーっとしてて、そんなに強く主張をしない愛子ではあるのですが、でも実際の意外と頼れるりなぷーみたいに大事なところではきちんと自分の考えを述べていて良かったです。たとえがおかしいんですけど、超ファインプレーに見えないようにさらっとファインプレーをする内野手(ゴールデングラブ賞複数回受賞)みたいな感じです。
かよ(=かっさー)の度胸がすごい!
7月に加入が発表されたんですよね、この子。MODEのオープニングはランウェイを一人ずつ歩いて始まるのですが、この人も前からいたよねという感じ。目線使いをしっかりしている。私が見た回のうち一回で途中でランウェイを歩くシーンをほんの軽くミスったのですが、「わー、やっちゃったー><」みたいのはなく、いやお金を払って見て貰っているものだから当然と言えば当然なのですが、フィギュアの大会とか見ていてもたまに「わ、間違っちゃった」を表情に出しちゃう選手がいるんです。あれは表情に出したら負けだと思う*4ので、そこを強気で乗り切る度胸に感服しました。「研修会の発表会でおろおろしていた子」という話が名前を覚えたきっかけだった子なので、存在感あるし、これはなかなか逸材だなと思いました。
美智子の心の炎がすごい!
あのね、かみこがね、すごいんです。まだ加入して1年経っていないのに主役なんです。でも、それに恥じない立ち居振る舞いなんです。メンバーや客演のヒルタ街さんのブログなどでも触れられているように練習途中では泣いてしまったそうなのですが、それは「やだー、辛いー」という性質のものではなくて、やり切れない自分へのもどかしさから来る涙だとはたからも分かったそうで、火の国の女はやっぱり熱い。カウントダウンの大器晩成で行方不明になりかけた子の成長速度がスピーシーズかってくらい早い。でも不思議なことに、恥ずかしがり屋で学校で何かお姫様みたいな役とかはやったことがなかったそうで、アイドルって多少なりとも自己顕示欲のある人がなるものだと思っていた*5ので、一度変に誘導したりしないインタビュアーさんにしっかりインタビューしてほしいなと思います。
節子さんのお母様感がすごい!
佐藤友利さんは、あの松岡茉優さんもいる私の中では安心と信頼に満ちたヒラタオフィスの所属なんですね。wikiで事務所名を見て「あー、道理で!」と変な納得をしました。成金ではなくきちんと続いている名家の奥様という雰囲気がとても出ていました。パンフレットで客演の方は70年代の雰囲気も云々と演出の太田さんが書いてますけど、いや、友利さん70年代生まれだから後から聞いたりした情報でしか70年代を知らないと思いますよw
梶井副編集長の憎らしさがすごい!
ヒルタさんは太田さんが主宰されていた劇団にいた方なんですね。だから遠慮なくなのか、唯一の完全なる悪役です。ご本人がブログで綴られていますが、
very-matching.jugem.jp当然ながら微塵も役柄に心が沿うような事はなかったそうです。それゆえ役作りにも苦心されたとのことで、あの憎らしいクソおやじをありがとうございますと思います。あーっ、やなやつっ!と5回ほどは繰り返したくなる無理解な人間を演じるというのはLILIUMみたいな舞台に出るのとはまた違ったベクトルでゴリゴリ削られそうです。
エンディングは全員がランウェイを通ってから最後はBGMに合わせてダンスをするんですけど、そこでようやく多分本来のヒルタさんが登場しています。佐藤友利さんもなんですが、ひそかにこの二人が踊るのを見ているのも好きでしたw
アニメ版ブラック・ジャックがやたらハッピーエンドでいやいや世の中そんなご都合主義だらけじゃないでしょうよと思っていたので、きちんとした悪役がいたのは良かったと思います。
スマイルファンタジーがスマイレージに重なる演劇だったように、「MODE」もある種彼女達の奮闘を投影した演劇でした。すごく号泣するとまではいかない話でしたが、それでもやっぱり2回見て2回とも本編が終わってテーマ曲が大きく流れてきたら何とも言えない気持ちになってグッときました。
あと、舞台が70年代ということもあって、70年代に近い世代の人だとよりクスッとできる場面があるように思います。週刊誌を買い占めに行くけど、実は美容室には別ルートで配本がされていました。という話は、徹子の部屋か何かそういうトーク番組か何かで似たような話を聞いたか読んだ記憶があるのですが、どなたかご存知ないですか?
1回見た時に出てきたエピソードに関するものがが2回目にふと見ると実は現れていたり、先にも述べましたが主に2つの場面を行ったり来たりしつつ、片方が進行している間ももう片方でもそれとなく場面が進行しているので、DVDでしっかりじっくり見直すのがお勧めの見方です。早くリリースされるといいですね!!