13人がかりのblog

あれこれ好きなヲタ属性人間が書く事への敷居を下げるべく書き綴るblog

演劇女子部ミュージカル「LILIUM-少女純潔歌劇-」を見て(ネタバレあり)

結局、事前にD2さんの「TRUMP」を見て予習をする事もなく、見に行きました。14日夜公演、15日昼と千秋楽の計3回見ました。先に予習をするかどうか迷ったのだけど、先入観なく見たかった*1のでリリウムがDVDになった時に併せてTRUMPのDVDも見る事にしました。多分、疑問点のある程度はDVD見たら明らかになるんだろうなと思いつつ、あえて寝かせます。
そして雑な性格なので思い出した*2部分だけざっくり書きます。ネタバレしないようにしなくちゃと思って寝かしておいてはダメですね。記憶が明確なうちに下書きで保存しておくべきだった。何だかちょっととっ散らかってしまっている。
ともかく見る前の根拠のない確信が本当に正しかったし、全公演見たいくらいの舞台でした。行けなかった方には是非ともDVDを見て頂きたいところです。

登場人物たち

中の人(工藤遥和田彩花)を抜きにして考えても、ファルスとスノウが切なくて愛おしかった。リリー視点で見れば、ファルスは本当にとんでもない存在であるんだけど、ファルスがそれまでに辿ってきたであろう人生を想像するにかなりきついものがあるなと。最初から彼はそうだった訳ではないのではないかと。そして、気付いていたけれど気付かぬ素振りをしきれずに皆と距離を置いていたであろうスノウもここまでの50年を考えるに切ないなと思ってしまうのです。そういう意味ではリリーには強さがあるのだろうな、と。それが良い事なのか悪い事なのかは分からない…捉え方によって変わってくるのだと思いますが、とにかく強さはあるのではないでしょうか。

スノウが本当に儚げで、憂いに満ちていて、悲しげで…自分は「知っている」から他の皆と関わり合いを持たないようにしてるのだろうなと思うと本当に愛おしくてたまらなかった。所作も美しかったし。大阪の回替わり部分ではスノウの笑顔が見られたようだけど、基本スノウとして笑顔でいる場面はなくて。それだけに3回目に見た時のリリーとチェリーのやり取りの後ろで群集の中の一人を演じているあやちょが笑顔だったので、何だかちょっと救われたような気分に一瞬だけなりました。

メタ視線で見れば一番置いてけぼりになっているのはリリーに他ならないんですけどね。ついついリリーが最終手段に出なければ、偽りでも平和が続いたんだろうかなどと考えてしまいます。そして「その後の構想」が救いがないらしいので、やはり彼女もお館様のようになってしまうのかそれとも果たして。

キャメリアはきっと優しい少年なんだろうな、キャメリアとシルベチカの様子とか見てみたいな。モテなさそうと評されていたけど、キャメリアは結構人気の出る男子だと思います。
チェリーはストーリーテラー的な役割でローズ、カトレア、ナスターシャムもその意味合いを…誰ひとりとしてとってつけた感がなくて誰もが大事な要素で、当たり前っちゃ当たり前だけど、練られているなと感嘆です。

あと、あとあと!噂には聞いていたけど、マリーゴールド役の田村芽実ことマリーゴールドさんがすごい。歌もすごいし、いやこれは本当に見に行って良かったです。
初回は躊躇したのと取りあえず全体像を見たいと思ってあまり双眼鏡で見なかったのだけど、2回目、3回目は双眼鏡でファルスの目つきに釘づけでした。いや、あれは本当に凄くてゾクゾクした。あれは生で見れて良かった。でも、狂気も去ることながらそこに至った哀しみの方についつい気持ちが向いてしまう。逆に言えば、哀しみなどが彼をあの狂気に駆り立てるのだよな。手塚治虫の「火の鳥」を思い浮かべてしまいました。
全然関係ないけど、石田亜佑美ちゃんはピーターパンとかも似合いそうだなと思いました。

何故こんなに惹かれるのか

現実問題として永遠なんて有り得ない事を、限りある一瞬の時期の少女達が演じているというのが、話の内容と相まってより一層話を崇高に感じさせているのだろうなと思った。再演があればそりゃ見たい。だけど、来年も同じキャストで同じように仕上がるのか(技量としてではなくて)といえば、必ずしもそうではなくてやはり今の一瞬一瞬の輝きは今にしかないので、末満さんが世界観にこだわる*3なら再演はないのかもなと思う。二度とない方が尊さは増すのだろうな、やっぱり。永遠も永遠の繭期も存在しないからそこ永遠の価値が高まり、希少性も増してくる。

ひとまず、気になった事を羅列。

  • シルベチカがウルを拒んだ(拒めた)のは何故か

シルベチカもまた800年近くウルを飲み続けていて効力が薄れてきたのか、イニシアチブを発動させなかった事で自然とそうなったのか。それともお館様の気まぐれみたいなものでイニシアチブを使わないでいて、使うタイミングを逃したのか。

  • 紫蘭が「最近は(お館様の)力が弱まっている」(意訳)の意味

リリー一人を指しているのか、スノウとリリーの事を指しているのか、他にも綻びが見られていたのか。

  • マーガレット親衛隊結成の由来

見るまでは「えーい!(カプッ)」とやった結果、ジャスミンクレマチスミモザによってマーガレット親衛隊が結成されたのかな?と思っていたけど、そんな事はなかったようなので、どうして「おとぎ話」に彼女達も乗っかっているのかが単純に気になる。他の皆には「変わり者」として扱われている姫姉さま誕生の謎ですw

  • 紫蘭と竜胆が協力する理由

お館様のどこに共感をして協力しているのだろう。永遠なる繭期その一点なんだろうか。と思ったけど、何か二人の心に刻まれる出来事がきっかけな気もする。竜胆は静、紫蘭は動でクランを護ろうとしているので、護りたいという気持ちが強まる何かがあってその目的のためになのか。

  • スノウはファルスをどう思っているのか

拒みもするけど、哀れに思っている部分もあると受け取ったのだけど、実のところどうなのだろう。

裏設定が発表になって、チェリーとシルベチカが親友でチェリーの取り持ちでシルベチカとキャメリアが恋人同士になったというのを大阪でのアフタートークショーで明らかにされたようで、それを聞くと、シルベチカが存在しなくなったクランでの何となしのチェリーとキャメリアの関係も名残を感じるので、もっと裏設定があるんだったら知りたいなと思った。

私が手塚治虫漫画大好き人間なので、ちょいちょいこの部分はこれを思い出すなというのがありました。手塚作品で救いのないのに耐性があるから、そんなに見終わってからぐったりしなかったのか、TRUMP未見だからそれくらいのダメージで済んだのか。はてさて。

演出効果

最初の2回は下手もいいところの位置でハッキリ確認できなかったけれど、最後は中央で見たので照明効果がより実感できました。特にチェリーがリリーに800年前に撮影されたという写真の説明をするシーン。
あと音楽が本当に秀逸。和田俊輔さんの曲、すごく好みかも。世界観に合わせているのだろうけど、宗教音楽っぽいのとかS02の様式美みたいのとか本当に堪らん。大好き。

…ちなみに

e-LineUpというハロプロの通販サイトで会場でも販売されていた日替わりの写真が期間限定(〜7月6日)で販売されています。TRUMPファンの方でファルス良かったわー、キャメリアかわいかったわーという方がいたらぜひどうぞ。この辺とかは舞台衣装です。もちろん、ファルスだけじゃなくてリリーやスノウ、マリーゴールド、キャメリア達全員の写真やら舞台グッズも発売されているので、後から買えば良かったと思ったものを買ってみてはいかがでしょう。


和田彩花DVD「The Season」は、スノウ役の和田さんのDVD。

期間限定受注商品なので和田彩花ファンならずとも是非手に入れておきたい一枚です。

とあったので、ファンならずともかふーんと思ってみました。なるほどねー、へー。


ポチッ

*1:メンバーブログでもネタバレっぽい要素がある気がしたら読み飛ばした程度にはネタバレ回避したかった

*2:私はテンションが上がると記憶が揮発します

*3:世界観に拘ったから、東京でのカーテンコールにも登壇されなかったようなので